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空の検索で39件の結果が見つかりました。
- 福音十字聖戦 | 楽園都市管理室
< Back 福音十字聖戦 ヴァルミナ教の今までの教えに従う信仰保守派、聖書の新たな解釈を掲げた悪魔擁護派の二つの派閥による戦争。この戦争により、世間に悪魔の脅威を知らしめ、主の正しさを改めて広く浸透させた。 尚、勝利したのは保守派だが、この二年後に擁護派のリーダーにより設立されたのがヴァルミナ新教である。 【1850-1855】 Previous Next
- Innocent:Crime | 楽園都市管理室
< Back その無邪気さは脅威となり、世界に牙を向くだろう。 世界が、崩れていく。 温もりが消えていく。 一生、覚めない夢のはずだったのに。 3L/異形/欠損 有 Story 誰より無垢な最愛の貴方は、災厄と呼ばれた。 夢を見ていた。愛おしい夢を。幸せな夢を。 どうか奪わないで、覚めないでと願えど、夢は夢。手を伸ばせど永遠に届かない夢幻。 い つかはなくなる、けれど暖かな、儚く脆い、陽だまりのようだ。 苦手な世界も、貴方が手を引いてくれるから、前を向いて歩いていけたのに。 守りたかった、貴方が消えていく。 子供のように好奇心旺盛で、可愛くて、大好きな⬛︎⬛︎。 貴方を奪い去るこんな現実、いっそ⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎ ──災厄の伝播を確認しました。データ破⬛︎箇所確認中、エターデ⬛︎⬛︎第二位から第七⬛︎は、至急⬛︎⬛︎⬛︎── 創世者:無し Innocent:Crime スプラッター/ダークファンタジー ルート分岐/無し
- 想世会 | 楽園都市管理室
< Back 想世会 悪魔信仰の新興宗教。開祖、指導者は世継瀬名。 2012年に発足した宗教。堕天使であり魔王ルシフェルを信仰し、そして魔法という奇跡を自在に使いこなす【悪魔】こそが、真に神に愛されし御子だと伝える。 悪魔に堕ちる、それこそが救い。神の創ったこの世界を、神の子供達を愛し、想い、いずれ訪れる救済の日を待つ。 ViA-Cercisとは相互協力の関係を結んでおり、彼らこそが救済者とする信徒もいる。大きな組織とはいえないが、厄介な存在ではあるだろう。 Previous Next
- 災約聖書 | 楽園都市管理室
< Back 行き着く先は神聖なる喜劇か、或いは災厄による悲劇か? 天使に意思などない 天使に情などない 天使は神にはなり得ない 彼女は選ばれた 聖なる神の御使いに 彼の魂宿る器に 運命に従う神の玩具に 救世主は救済者ではない 全ては尊き我が主の愛の為に 全ては完全で唯一なる創造主の御心のままに 最低で最凶である唯一無二の災厄の望むままに 〈悲劇とするか、喜劇とするか。それは君次第だよ、ノア〉-??? 3L/流血/欠損/異形/差別/宗教表現 有 Story 『ヴァルミナ旧教』 それはこの世界で一番の信者数を誇る宗教だ。それは勿論のあ達の住む中央大司教区も例外ではなく、聳え立つ大聖堂は純白と金色で統一されており、咲き誇る一面の青薔薇と美麗な噴水、そして十字架はヴァルミナ旧教の規模の大きさを象徴するには十分過ぎる壮大さだった。 しかし一見美しいその宗教はどうやら、一部の間で密かに“殺人宗教”と噂されているらしい。 行方不明の親友を探し、噂を頼りに大聖堂に乗り込んだのあは『祓魔棟』と書かれた“存在しない階”に迷い込む。 ──そこには攫われ、囚われた悪魔や異教徒達が非人道的な実験を受けたり無慈悲に惨殺されたりした痕跡が、血みどろで絶望に満ちたあまりにも現実離れした光景が広がっていた。 第三位【神】ヴァルノエル 災約聖書 サイコ/ホラー/サスペンス/スプラッター 序章/A,B,C,D,E 本章/A,B,C,D,E 他『最終章』S
- episode:02 旧棟 | 楽園都市管理室
戻る episode:02 旧棟 さて、無事に電気が機能したことでようやく姿を現した、質素な鉄扉のドアノブに手をかけた。内側からも鍵が必要というそれなりに面倒な構造は、それだけで正直脱出を諦めさせるようなものだが、覚悟を決めたかのようにのあは手首を左右に捻った。 が、それは無機質な音を立てるばかりで、二度も三度も奇跡は続くことがないことを無慈悲に告げていた。いくら立て付けが悪いとはいえ、一般市民の力では到底こじ開けることは不可能だと言えるだろう。はぁー……と、安堵感から来るものではなさそうな深い溜息が、のあの口から溢れた。 「救世主様ぐらい、とか言わないけど、はぁ。せめてもう一回、いや二、三回くらい、奇跡とか起こしてくれたって」 そんな贅沢を言い終わる前に、背後のダンボールが音を立てて勢いよく崩れた。 「う、ぇ!?」 ドサドサドサ、と激しい音を立て、辺りに数年前の日付が記された貼り紙や書類、それから非関係者には何が何だかイマイチよく分からない小物等が散乱した。恐らく仕分けされてあったのであろうそれらは、きっと片付け作業をするのだろう見知らぬ誰かを哀れみたくなる程に、種種雑多に散らばっていた。 「うわうわうわ……え? これ私のせい? か、神様……いや触ってないし……」 特に誰かがいる訳でもない、神に対してだとしたってそんな言い訳が通じる訳もない。ただ無意味な言い訳を繰り返し、のあはその山に近付いた。時期や素材によって色とりどりの白と、その上に陳列する黒。殆どがその二色で完結する無彩色。放置するのも申し訳ないので少しくらいは纏めておこうと手を伸ばした先に、キラ、と光を反射する何かを見付けた。 「……、……鍵?」 それは、例えるのならば子供向けのオモチャにでも付いていそうな程に──さすがにそこまでセキュリティを心配したくなる程単純な形状では無いのだが、それに近い──簡素で、見失ったら最後、見付けるのにかなりの苦戦を強いられそうな程に小さな、銀色の鍵。興味に負けたのあは片付けるつもりだった書類達を適当にダンボールの中に詰めると、埃をかぶったそれを拾い上げた。 「いやいや、流石にそんな都合のいいこと」 鍵穴に差し込んだ。 ──ガチャリ。 「…………あるんだ……」 事実は小説よりも奇なり、とはよく言ったものだろう。あまりにも呆気なく、その重たい鉄の扉は前方に続く白い空間を目前に晒した。一際目を引く、緑色の鈍い光を放つ数値が表示された謎の機械。そこから排出されているのであろう生温い風が一瞬頬を撫で、のあの新雪のように濁りのない白銀の髪を揺らした。無機質で小さなその空間は、所々張り巡らされた太さの様々な鉄パイプと、地鳴りのような低い機械音が異質な空気感を醸し出していた。正面には先程出てきた部屋のものと同じ鉄の扉が、まるでプラスチックで出来た薄い板かのように折れ曲がって佇んでいる。構造が同じであれば通路側に開く硬いはずのそれは、正反対の方向に無慈悲に叩き付けられていた。そして向かって左方面には、簡素な木造の扉が構えている。 「は、ほ、ほんとにどこだよ、ここ……!」 鼻につくようなこれは、病院を彷彿とさせるような、薬品と消毒液の香りだ。その中にほんの少し鉄の臭いが混じりあった、独特の空気だった。一歩、また一歩と、普段よりも倍以上遅いペースで、のあは足を前に進めた。ただでさえ薄暗い部屋の切れかけの蛍光灯が時折点滅し、どこかから水滴の滴る音が響いていた。これは、まるで自他ともに認めるほど大のゲーム好きであるのあが唯一苦手とする、FPSやアクションゲームとは違った緊迫感と恐怖感が押し寄せる、あのゲーム。 「あれえ、こ〜んに〜ちはぁ〜!」 「ひ、ッ───!!!!?」 背後に唐突に感じた衝撃に、声にならない悲鳴をあげた。まるで、のあが心底大嫌いな、ホラーゲームのようだった。 恐怖心と多少の怒りから、睨みつけるように振り向けば、170cmは軽く超えていそうな黒髪の男がのあの背後にくっ付いている。その男はニコリと笑うと、体制を整えてひらひらと笑顔で手を振った。 「はじめましてえ、君も迷子〜?僕もねぇ、迷子なんだよねぇ……」 「は、はあ……そうですか……ではお互い頑張って出口を探しましょうさような」 人であったことへの安堵感と、人であったことでの恐怖感。見ず知らずの他人に急に背後から抱きつくような変な男からは、逃げるが吉であろうことは明白。そう背を向けた矢先、思ったよりも強い力で腕を握られて引き止められた。恐らく不審者に遭遇した時のそれと同じ冷や汗が背を伝う暇もなく、彼が不満げに口を開く。 「待ってよお、一人じゃ寂しいじゃん。僕怪しいひとじゃないよ?僕ねぇ、広瀬 秀(ひろせ しゅう)!秀って呼んで!星光大学(せいこうだいがく)の二年だよぉ」 「うっそでしょ大学同じなの!?」 「え?そーなの?わぁーい」 果たして何が「わぁーい」なものかと、驚きのあまり余計な個人情報を与えてしまったのあが若干後悔していることなど知る由もなく、まるで名前のイメージからかけ離れた性格の彼は楽しそうに次の質問を浴びせてきた。 「君は〜?君の名前!あわかった当てたげようか、えとね、えとねー、ニャ」 「あんたがあらゆる方面から怒られそうな名を発しようとしてることは分かります」 「あれー?」 この前完結した某ライトノベルの主人公の、恐らく目と髪の色が同系色ということ以外に特に共通点は無いキャラクターの名でも出そうとしたのだろう彼は、相変わらずへにゃへにゃとした気の抜けた笑顔で上半身ごと首を傾げた。 「てか、……どこから……」 「そこの壊れてる部屋!起きたら閉じ込められててさぁ〜、電池とか爆発させたら扉開くかな?と思ってやってみたんだけど。巻き込まれてさっきまで気失ってたんだよねぇ……」 その時怪我しちゃってさあ、と頬に貼った絆創膏の角を弄り、しょも……としてみせる秀。そんな姿に半ば呆れ顔ではあるが、しかし緊張と恐怖に支配されていたのあの表情は、一変してほんの少し頬が緩んでいた。とはいえ、その理由が“別の恐怖が歩いてやってきたから”とすれば、果たしてどちらの方が良かったのか定かではないが。 秀の背後。そこには、先程と変わらない光景。 「……、…………?」 「ねえ。名前教えてよ」 何かに違和感を感じたのあの思考が、秀の何気ない言葉で現実に引き戻された。 「こんなとこ早く出たいもん、なんもなくてつまんない! 一人より二人の方が確率高いでしょー? だから協力しよー?」 仲間の名前も呼べないと不便じゃん、と、膨れる秀の初対面というには近過ぎる距離感に若干引きつった笑顔を浮かべたのあが自己紹介をすると、秀はパァッと嬉しそうに顔を綻ばせて笑った。 「のあちゃん! いい名前だねえ、よろしくね!」 れっつ探検だー、などとはしゃぐ、状況を分かっているのかいないのか、能天気な秀。手を引かれてのあも木造扉をくぐった。後ろを振り返っても、何の変哲もない、何度見ても変わることの無い景色だ。 扉を抜けた先に広がっていたのは、コンクリート造りの施設だった。機械的だが年季を感じる造りで、ぱっと見ただけでもそこまで複雑な構造には見えない。正面には南京錠のかけられた鉄製の扉が佇んでいた。その左隣には、恐らくかなり広いのであろう部屋があり、この空間の中では特に際立って近未来的なカード認証式の扉が構えていた。向かって右側の壁は浅いV字型にくぼんで小さな空間を作り出しており、そこには十字架にかかる救世主の像が建てられている。隣の部屋は、のあ達が先程出てきたのと同様の木造の扉だった。 「わぁ〜……あはぁ、すっごいねえ!たのしくなってきたー!」 「クッソ、呑気な……ああ、もう!」 思わず出た本音を飲み込んだのあが、更に辺りを見渡す。向かって左側、二つ隣には鉄扉の小さな部屋がある。そしてさらに奥、通路を挟んで向こう側には白く簡素な、例えるとすれば玄関のような扉が見えた。ここまでたくさんの扉こそ見つけたものの、しかし恐らく出口らしきものは無い。それどころか、窓すら少なくとも見える範囲には存在しない閉鎖的な空間のようだ。相変わらず地鳴りのように響き続ける小さな低音、点滅する蛍光灯。再度足が竦むようなのあの手を、秀が引いた。 「だいじょーぶ、僕が守ってあげる。一緒に外でよーね、のあちゃん!」 子供のように無邪気な顔で、秀がそう笑った。どこか自信ありげな表情に思わず頬が緩むのを隠すように、彼に背を向け歩き始める。 「……頼りないなあ」 その呟きに、秀はのあを小走りで追いかけて「えー、ひどーい!」と大袈裟な不満を漏らした。 部屋を出て道なりに進むと、鉄の扉の少し手前にのあの背より少し低い、大きな葉の観葉植物──の、造花──と、中身の殆ど入っていないゴミ箱があった。なんとはなしにその中を見てみると、1番上に無造作に捨てられた何かの走り書きのようなものが見える。 「……? なにこれ」 「えぇ〜……僕ゴミ箱漁るのどうかと思う……」 のあは頭上から降る批判を無視してそれを拾い上げ、丸まったそれを適当に広げた。それは、油性ペンで乱雑に書かれた誰かのメモだった。 「……《至高の天空に咲く純潔の象徴》?」 「しろばら!!」 「早々に回答ありがとうございます」 いよいよホラゲーみを増してきた謎解き要素は、ある意味一切空気を読まない秀の発言でいとも簡単に回答を得ることが出来た。とはいえその『白薔薇』が果たして何を意味するものなのかまでは謎のままだ。ひとまず記憶の片隅にだけ置いて捨ててしまおうとした所で、秀が何かに気が付いたらしく「あれ?」と声を出した。 「ねぇねぇ〜、裏になんか書いてあるよ?」 「裏?」 秀に言われるままに紙をひっくり返した。形状様々な四角と四角が組み合わさって整列している。線は歪でインクは多少滲んでいるものの、このフロアの地図であることは明確だった。部屋の名称を書いた文字の筆跡から見るに、どうやら裏のメモと同一人物が描いたようだ。 「やったぁ〜! 地図だ地図! どっかに出口あるかもねえ!」 「や、パッと見出口らしきものは無い……けど。このスペース、階段とかあったりしないですかね」 このフロアの窓の無さ具合を見るに恐らく地下であるのだろう、そう予想をしたのあが、まず階段を探した。そんなのあを暫く無言で見つめていた秀が、「のあちゃんってさ」と口を開く。 「警察官か探偵さんかなにか?」 「は? いや、ただの大学生ですけど…」 「うん、だよねえ。そのはずだよね」 「……そのはず?」 そのはずだよね。その発言に、のあは小さく一歩後ずさる。のあの不信感を読み取ったのか、少しの沈黙を挟んで秀が「だってさっき同じ大学って言ってたじゃん……」と軽く呆れたような表情を見せた。 「推理上手だなーって思ったから言っただけだよ。用心深いのは良い事だけどさあ、もうちょっとは信用してよぉ〜……」 そう肩を落とす秀に、のあは「言うて私達初対面ですからね」と返す。会ってから一時間、それどころか三十分すらも経っていない、且つ行動の突発的でおかしな男を信じろ、という方が無理な話だろう。秀は、「え?」と──言うよりは「んぇ?」の方が正しいかもしれないが──気の抜けた声を出して、そのあとにようやく気付いたかのように小さく「ああ、そっかあ」と笑った。 「そうだったねぇ! いいよやっぱ、信用しなくて!」 「そんなことある??」 困惑を隠しきれないのあと対照的に、楽しそうに笑う秀。 「だって、のあちゃんも女の子だもんね。年上の男なんて怖いでしょ? ごめんねえ」 何気なく発されたその言葉は、気遣う言葉としてはなんの違和感も感じない言葉だった。普段ののあなら、何も気にはしなかっただろう。しかし、その情報を、のあは秀に与えていなかったはずだった。 「…………私、いつ一年生っつったっけ?」 「……。……ぜんぶ知ってるよ? 調べたもん」 一瞬の沈黙が途方もなく長い時間に感じるほど、のあに押し寄せる不信感と、危機感。変わらない秀の笑顔は、この上なく不気味に感じられた。 と、その時、そんな静寂を破るかのように秀が「ふ、あっはは!」と心底面白そうに吹き出す。感情が追い付かず沈黙するのあと対照的に暫く笑った秀は、「ああ面白い、うそうそ!! ごめんね? 冗談だよ」と目尻に浮かぶ涙を拭った。 「僕、浪人してるんだよねえ。だから年下かなあって思ってさ。ええと、そんなに怖がらせちゃうと思わなくて、……その、……余計警戒させちゃったかな……ごめんなさい……」 「ちょっとしたドッキリみたいなつもりだったんだよ」としょんぼりして見せる秀に、それでものあは一言「いえ、……別に」と返すより他なかった。 「えーっと、ここは……」 「ボイラー室?」 「ボイラーって何ですか?」 「知らない!!」 どこに鍵がかかっていて、どこが入れる部屋なのか。それがなんとなくは把握できる程度に暫く辺りを観察しつつ歩いていると、小さく稼働音を発している部屋の前に辿り着いた。扉は鍵こそかかっているものの少し歪んでおり、そのせいで随分と防音性を損なっているように思える。 地面にべったりと座り込み、その微々たる隙間から中を覗き込んでいる秀によれば「よく分かんないけどごちゃごちゃと大きい機械がある」そうで、そして彼の必死の観察も虚しく、残念ながらのあには「そりゃこれだけ機械音してりゃそうだろ」以外に感想が思い浮かばなかった。 「この扉棒とか押し込めばこじ開けられるんじゃない?」 「なんて?」 不意に下から聞こえてきた脳筋な提案に、仮にも年上に対し敬語すら忘れたのあが困惑を滲ませた目を向ける。そもそもこじ開けてどうしようというのか、開いたからと言ってなんだと言うのか、しかしそんな事を聞いている暇もなく、思い立ったら即行動、秀が立ち上がってのあの手を引いた。 「目覚ましたとこさ、倉庫ぽくなかった? のあちゃん行こ、戻ろ、多分棒とかなんかあるって!」 「は、ちょっと……!!」 結局、最後まで楽しそうな秀に無理矢理手を引かれ連れてこられるのあ、という構図ではあったが先程までいた一室に戻ってきた二人。ボイラー室の扉をこじ開けるのに丁度よさそうな棒探し、という、体力を奪うだけで大した意味のなさそうな行動に、正直のあはあまり乗り気ではなかった。 「はー……なんで私がこんな……」 「駄目だよ、ちゃんと探さなきゃ」 先程から秀の話にはいはい、と軽く生返事だけして聞いていたのあだが、珍しく真剣なその声色に無意識にそちらに視線を向ける。秀はといえば、物で溢れた大きな箱を、のあの方をチラリと見ることもなくガサゴソと漁っていた。 「調べられるところは全部調べて、拾える情報は全部掻き集めるんだ。もうこの場所に戻れないかもしれない、必要になった時に、逃した情報で後悔したって遅いでしょ?」 「……」 「どこかに鍵があるかもしれない、どこかに道があるかもしれない。だから端から、端まで。……そうしたらさ」 真剣に箱の中を見詰めていた秀の目線が、ふわりと笑顔を浮かべてのあの方を見る。箱を漁る際に傷付いたのか小さな傷を増やした手には、折れ曲がって本来使い道のなさそうな鉄のパイプを持っていた。 「きっと一緒に外行けるよ、のあちゃん」 「……。……うん」 行こ、と、秀の手がのあの方に伸びた。対するのあの手には多少の迷いと躊躇が感じられたものの、その手を握り返してしまえば、ボイラー室前に着く頃にはもう慣れてしまったようだった。 ──ガシャーーン!! 「うるっっ……さ!! ちょっと、これ人集まってくるんじゃ……」 歪んだ扉を、棒を押し込んで力任せに開ける。それ事態は成功したものの、あまりの爆音でこれではのあ達を閉じ込めた犯人に「私達は脱走しました、今はボイラー室前にいます」と馬鹿正直に告げているようなものだ。と、思考を巡らせている間もなく、バタバタとした足音が聞こえてきた。 「ああああ馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!!」 「っと、えっと……っ、あ、あれ!! あの箱、一人なら隠れられる、入って!!」 そう言って、秀はのあをボイラー室に置き去りにされていた空の箱の中に押し込む。近くの物を適当に配置してカモフラージュしたおかげで、パッと見では気が付かないだろう。 「は!? あんたは、」 「……、捕まったら、助けに来てね」 そう言って、震えた声で多少怯えたように笑った秀は、のあの返事を待つこともなく扉の外に走っていった。 数秒後、外から微かに声が聞こえる。要点までは分からず、途切れ途切れにはなってしまうものの、少なくとも三人以上での会話であることは理解出来た。 「……は、……のままでいいのですか、今なら確実に……」 「大丈夫、今は……、それにここは……。実験にも、……」 「……した。大司教のご判断であれば、…………でしょう」 「(……大司教!?)」 途切れ途切れにしか聞こえない会話の中、のあのいる場所までも確かにはっきりと聞こえた、「大司教」の単語。それがここ、中央大司教区のトップである柊真尋のことなのであれば、彼がのあ達を閉じ込めた犯人なのだとすれば、敵はあまりにも強大すぎる話だった。もしあの噂が真実で、正真正銘『ヴァルミナ教』が敵であったのなら、そして今なお泳がされているだけだと言うのなら、ただの一般人であるのあ達に勝ち目などないのは明白だった。扉が閉まる音がして、足音が遠くなる。早く脈打つ鼓動を落ち着けようと、のあはその場で深く深呼吸をした。 柊、真尋。その名を、そして彼のことを、のあは知っているはずだった。しかし、顔も、声も、何故か思い出せない。それは、先程微かに聞こえた声が本当に彼のものなのか、それすらも判断できない程だった。彼についてだけなのか、もっと他に何か抜け落ちてしまっているのか。それすらも、分からなかった。 また、夢の中の声が反響する。 言語としては認識できないほどに朧気な声。 「──████████████」 拾える情報は、全部掻き集める。信用ならない男の言葉だが、確かにそれはのあの中の意識を変えたらしかった。 暗闇の中、スマホの懐中電灯機能を使って机の引出し、棚の中、床の隙間まで一つ一つ確認していく。勿論、スマホの電池は貴重なので一番弱い灯りなのだが、それでも物の有無を確認する程度であれば充分だった。特にめぼしいものも無かったのだが、部屋から出ようとしたその時、部屋の端、机の上に、キラリと光を反射する何かを見付けた。 「これは、……また鍵? なんか書いてあるけど、暗すぎて読めないな。一応持っとくか」 それは相変わらず小さな鍵で、文字の書いた小さなストラップが付いている。ひとまずポケットに突っ込み、ドアノブに手をかけた。 手首をひねる。一回。二回。……三回。 「……あかない」 血の気が引いていく、とはこういう感覚のことを言うのだろうと、のあはドアノブをガチャガチャと回した。先程の鉄パイプは外に置いたままで、ここは壊せそうもない大きな機械と、役にも立たなそうな小物だけが置かれた部屋だ。壊れているのを見る限り鍵を使って閉められた訳ではなく、室内から開けることは出来なかった。大司教やその仲間が閉めたのであろうことは明白だろうと、のあは自身の危機感の無さに怒りを抱く。とはいえ気付いていたとしても絶望が少し早く襲い来るだけで、この状況は変わらない訳だが。 ふと背後から、小さな呻き声が聞こえた。ゆっくりと、振り返る。 「……は?」 「あ" ァ ア" 、ィ"、あ? アマ"、ヒ」 溶けて、所々骨の露出した上半身が、そこにいた。頭は皮で繋がっているだけのようで、だらりと重力に負け、垂れている。真っ黒く濁った、ドロドロした瞳で、ソレはのあを認識して笑みを浮かべた。 「……───ッ!!」 のあの本能が、警鐘を鳴らしている。ここの他に、扉はない。通気口から這い出そうにも、ソレが目の前に鎮座している。その上、かなり天井近くに設置されたものに、よじ登るだけの余裕は無さそうだった。 「ぁあ、いー、ぇえええへへへへはへひひひひはへひひ」 足の力が抜けて、その場に座り込む。刹那、溶けて本体と離れた腕が、物凄いスピードでのあの頭上を掠めていった。爆発音にも似た音を出して、壁に人が余裕で一人通れそうな程の大きな穴が開く。そしてその腕は、ドス黒く酸化した血液で繋がっているかのようにズルズルと本体の方へと戻っていった。 「ぃひひひひへへへははははははははははははははははははははははははははは」 笑い声が響く。ソレの目は、先程から確実にのあの方を見つめている。べちょ、と音を立てて、ソレが一歩、近付いてきた。 どうにか起き上がったのあが、壁の穴から外へ抜け出した。背後でまた爆音が鳴り、笑い声は絶えず響いている。ソレは本体のスピードこそ遅いものの、腕や血液を器用に使い着実にのあの方に近付いていた。今まで出したこともないようなスピードに、普段であれば自分はこんなに速く走れる、と得意げに自慢でもしてみせるのがのあだが、今はそんなことを考える余裕もなかった。白い玄関のような扉、地図に『警備職員室』と記載されていた部屋のドアノブに手をかけると、その扉は簡単にのあに道を譲った。 棚の中、ダンボールの中、武器になりそうなものを探し、あらゆる場所をひっくり返した。あちらこちらの鍵がそこらに放置されているのはかなりどうなのかと思うのだが、またしてもどこかの鍵を見付けたのでついでにポケットに押し込んだ。そして引き出しを開けた時、片手サイズの黒い光沢のある『アレ』を見つけた。 「け、……拳、銃……?」 バァン!!と壁が悲鳴をあげた。ただでさえボロそうなこの施設の壁は二度目を耐え切ることは出来なかったようで、のあは再びソレと至近距離で対峙することになった。 「……は、はははははははははははははははははははははははははははははは」 のあを確認したソレは、また頭の最奥まで深く突き刺すような笑い声をあげる。そして、腕を振り上げて── ──銃声が響き渡った。 「っ、……はぁっ……、……は……ッ」 こんなところで、FPSで培った能力が生かされるとは誰も思いはしなかっただろう。たった一発残っていた弾で脳天を綺麗に撃ち抜かれたソレは、床に崩れ落ちるとかろうじて残っていた皮膚をドロリと溶かし、所々断片を残したまま赤黒い血溜まりへと変わった。漸くと言うべきか、今更と言うべきか、全てを理解した脳が身体を小刻みに震わせる。転んでいたら、効かなかったら、外していたら、それ以前にどこにも武器なんてなかったら、きっと今、のあはここにいないだろう。その事実に震えも治まらないままに、のあは立ち上がってその場を後にした。 ──何かが、のあの脳裏に浮かぶ。 それはまるで、あの化け物に、心臓を抉り取られるような。恐怖のせいか、嫌な想像を膨らませてしまって、そしてそれのせいでまた、余計な不安が募っていく。 頭を振って、思考を追い払って、前へと進んだ。 「……秀、大丈夫かな」 ぽつりと、のあがそう零す。あんな化け物が他にも徘徊していたとしたら、ただの一般人が二人共に無事、だなんて確率としてはそんなに高い話ではない。勿論、今後またのあが遭遇して殺される、という確率も含めての話だ。 ここがもしヴァルミナ教会内部だと言うのなら、殺人宗教という噂は真実で、その上噂なんてものは真実のうちのほんの一部でしかないと考えるのが自然だろう。 「あああもう、考えてたって分かるわけないじゃん!! うるさいなぁ!!」 のあがそう、頭を抱えて蹲った。そして少しの間唸った後に、今にも涙が零れそうな表情で、壁に飾られた十字架に手を伸ばした。 「大丈夫、ただの噂だよ、だって、だって神様も、みんなも悪人なんて、そんな訳ないでしょ……」 のあの言葉は、信じている故の言葉というよりは、まるでそう、自分に言い聞かせているもののようだった。 「──あれ?」 「!!」 聞き覚えのある声が、聞こえた。 戻る 次へ Up
- episode:05 煉獄 | 楽園都市管理室
戻る episode:05 煉獄 「あああああ!!!! 頭おかしくなりそう!!!!」 一人そんな悲鳴にも似た叫び声をあげるのは、地下に閉じ込められたのあだった。見渡す限りの死体、肉塊、血、血、血。気が狂いそうな程の血と腐敗の臭いにも、もう鼻が慣れ始めてしまっていた。 「くそ、もーー早く帰らせてよログボもイベントも逃してるのにーー!! たすけてーーーー!!」 もう何分たったのだろう。のあの青色の服は、裾が血で汚れて赤黒く変わっている。買ったばかりの白いスニーカーだって、血の跡がもう、何度擦って洗ったって落ちなさそうだ。 エレベーターの扉が、開く音がした。 「ッ!?」 咄嗟に死体の山の影に隠れた。綺麗なウェーブがかかった金髪の女性と、ミアと同じように純白の髪を持つ男性の姿。当然のように死体を投げ込むその二人は、こんな場所にいるには異質な服装から見て取れるように、ここの組織の一員だった。 「……あれ? 真尋さっきここって言ってなかったっけ?」 「言ってた……と、思う」 「だよねー? ついでに様子見とこうと思ったんだけど……まいっか。どっかにいるでしょ。手汚れたからお兄ちゃんが鍵出してよ」 「ああ、閉まってるのか。鍵……、あれ、鍵どこやったっけな」 「えー!? 何やってんの、後でちゃんと探しときなよー?」 「ああ、そうする。悪い」 そう雑談しながら、女性の方が操作パネルにカードキーを翳してなにか入力した。暫く後、エレベーター横、鍵のかかった鉄製の扉が、二人を迎え入れるように開いた。二人が居なくなって暫くしてから、先程触れていた操作パネルに、のあも触れたが、操作不可能の注意マークが出るだけで、どうやら動かせそうになかった。 「……。どう考えても、柊実尋のカードキー必要な場面じゃん」 こんな事になるのなら、一時の怒りに任せて、渡すんじゃなかった。しかし、後悔先に立たずだと、のあはくるりと踵を返した。先程二人が持ってきた死体、小柄な女性は、ミアの“お肉”にはならなかったようで、比較的綺麗なままだ。職員らしき服装をしていた。 「……、心苦しい〜……けど……失礼します……」 彼女をほんの少し抱き抱え、使えるものがないか探した。しかし彼女は、全て回収されたのか元からなかったのか、それ自体は定かではないが一つも物を持っていなかった。そもそもなにかを見付けたところで、パスワードが必要とでも言われたら、ここにはヒントすらもない。しかし、かといってのあには、他に縋るものもない。それなりに、運はいいと思っていた。もう、あとは秀が何かを見つけて戻ってくるのを願うことしか出来ない。他人任せ、それほどのあにとって信用出来ないこともないだろう。脱力したように腕を下ろした、その時だった。 「ねぇ、君」 「!?」 背後から、少女の声が聞こえた。それは空耳さえ疑うほどに小さな、かすかな声で、しかしはっきりと、確かにのあを呼ぶ声だった。 「そこの君だよ、純白の髪が綺麗な君。今振り向いた、そう。ねえ、少しこっちに来てくれないかな?」 声の方に向かうと、グレーの髪を一部猫耳のように結った少女が、鈍く光る深紅の瞳でこちらを見上げていた。 「ひッ……」 「やあやあ、初めまして。突然のお願いで悪いんだけど、コレ、抜いてくれないかな? 身動き取れなくてさ」 露骨に実験台専用と言いたげなその服装、細い手首には手錠がかけられている。小さく薄い腹に似合わない、太く血で汚れた鉄の棒が、横たわる彼女に垂直に突き刺さっていた。 悪魔は、人が死ぬような怪我で死ぬ事は無い。のあの目の前の景色の通りだが、貫かれたままで彼女はそう語った。あまりいいとは言えない感触、その鉄柱を引き抜いた。ぐちゃぐちゃと、みずみずしい音と共に、彼女のその傷が塞がっていた。そうして、しばらく後に彼女は立ち上がって、笑った。大きな赤い目でのあの事を見上げる、小さな少女だった。 「ありがとう! 助かったよ。刺さったままじゃあ治癒も効かないし、だっていうのに手錠のおかげでどうにも取れなくてさ。下手に動いたって痛いだけだし、困り果てていたところだったんだ」 「そ、そう……なんですね?」 「別に敬語なんて使わなくていい、私は君より幼く見えるでしょ? 私は古森 夜宵(こもり やよい)。君は?」 そう自己紹介をする彼女──夜宵に、のあも自分の名を返す。夜宵は「そっか。どうぞよろしくね」と、あっさりした言葉を返した。 「それで、この施設から出る手立てはあるのかな?」 夜宵の言葉に、のあは沈黙を返した。それは、施設どころか、ミアがゴミ捨て場と称したこの場所からすらも、出る手立てなどは見つかっていないからだった。 「……見つかっていないようだね。でも、それなら私は少し力になれるかもしれない」 そう言って夜宵が、隠し持っていたらしい白色のカードキーをのあの顔の前に翳した。そのカードキーには、「Rēto Mochizuki」と刻印が刻まれている。 「それ、……」 「天使専用のもの。もっと詳しく言うのなら、先程ここに来た子のもの。……何、彼は純粋な子だ。持ち物の紛失だなんて珍しくもない、誰も盗まれた、 なんて思いやしないよ」 夜宵はにっこりと笑顔を作って見せると、そのカードを今度は乱雑にポケットにしまった。 「とはいえ、私はパスワードまでは知らない。解除は、君の運頼みになってしまうかな?」 夜宵のその言葉の後、二人の間にはしばらく、あるいはほんの一瞬の沈黙が流れた。そして、運がいい、つい先程自信でその思い込みを否定することになったのあの、絶望か、はたまた怒りにも似た叫びが響いた── 「はぁ!? 結局運なの!!??」 ──と。 一先ず、眺めて悩むよりは行動に移してしまうのが吉だと、操作パネルの前へと戻った。カードをかざす。入力画面は随分独特で、黒、緑、黄、青、赤色の薔薇の形のボタンが用意されていた。夜宵は後方で、のあが文句を言いながら適当にパネルを操作している所をただ黙って眺めていたが、退屈だったのか暫く後に勝手にそこに置いていたのあの荷物を漁り始めた。 「ちょっと、物色しないでくれる?」 「うん。……ああ、でも、随分いいもの持ってるじゃん」 そう言って、一枚の紙──手書きの地図を、夜宵は「ふぅん」と流すように眺めた。そして、暫くそうした後で、特に面白い、楽しいといった感情からくるものではないのだろう笑顔で小さく、くすっ、と笑った。 「これ、望月零翔の筆跡だよ。地図自体はほんの少し古いもののようだけど、誤差の範囲。そんな事より、やっぱり君は運がいいよ」 神様とやらに随分好かれているのかな、そう言って夜宵はそれをヒラリと裏返すと裏の文字──至高の天空に咲く純潔の象徴、その文字を、不敵な笑みでのあに見せた。 「ここに答え、そのまま書いてある。記憶媒体に限界が近い分、簡易的に変更された特別仕様のパスワードさえ、覚えていられないんだろうね。彼が非人間体、且つ不完全体であることが、私達に幸をなした」 さも当然かのように、夜宵はそう語る。 「……非、人間?」 のあのその、ポロと零れた疑問に、夜宵はようやく「ああ」と呟いた。 「彼は人じゃないよ。君、天使実験は知ってる?」 夜宵の言葉にのあが首を振れば、夜宵は「そう」と俯いて、言葉を選ぶようにして紡いだ。 天使実験。夜宵が言うにはミアもその被害者で、十歳にも満たない幼い子供を選んで、被検体とした、きっと誰が聞いても残虐だと言うような人体実験の話だった。 「私も詳しくはないんだけどね。彼は天使実験が始まったばかりの頃、もう10年以上前になるかな? その時に使われていた人形(ドール)のひとつだったはずだよ。最も、完全体が生まれなかったことで、今の人体実験に移行したようだ」 そう言うと、夜宵は溜息を吐いて、やれやれといった様子で首を振った。 「全く、勝手な話だよね。それだけだよ、早くパスワード解いてくれないかな。答え、あるんだから簡単だよね?」 地図をのあに押し付けてくるりと踵を返した夜宵は、壁にもたれてそのまま退屈そうに地面にしゃがみ込んだ。一切手伝う気もない、恐らく答えも知っているのだろうにヒントも与える気がないその様子に、のあは果たしてこいつは脱出する気があるのだろうか、とでも言いたげな若干の不服さを滲ませた。 「……白なんてないけど」 「あるよ。あるよ、探してご覧。光に目を向ければ、見えるはずだよ」 のあの問いに、夜宵は地面に落ちた石の欠片を転がしながらそう答えた。相変わらずの夜宵の様子に、諦めたようにのあは操作パネルに向き直る。表示されているのはやはり、白、なんかには程遠い、カラフルな画面だった。少しひび割れたその画面は、一部画面に縦線が入っている。暗いこの空間で薄ぼんやりと光を放つパネルは、それだけでも少し不気味だった。何度見ても、白色の薔薇なんて無い。黄色や青色なんかと違って、混ぜ合わせた所で白になる色なんてない。 「……、白?」 ふと、夜宵の言葉が反芻した。光に目を向ければ、見えるはずの白。白く微かに光る画面は、赤、緑、青色の三色に縦線が入っていて、そしてのあの脳裏には、ほんの少しだけ聞き覚えのある言葉が浮かんでいた。 「……光の、三原色……」 別名、RGB──レッド、グリーン、ブルー。白の光を構成する三色。分かりやすく画面の縦線と、同じ色の薔薇を選んだ。小さな音で、ピロン、と認証音がした。固く閉ざされていた扉が、いとも簡単に、二人を迎え入れた。 「あい、……た」 「うん。すごいじゃん」 夜宵が、一足先に扉の先に進んで、早く行こう、と振り返った。「ほぼ何もしてない癖に何先導してんのさ」と、のあも足を踏み出す。夜宵は、変わらない笑顔で、しかしほんの少しだけ楽しそうに、その言葉に笑って返した。 相変わらず、嫌な光景だ。彼らもこんな所から出たいだろう。生きて、外に出たかっただろう。それは例え神に祈ったところで変わらない、凄惨な景色だった。 「……あんたはさ、ここから生きて出られると思う?」 短い廊下だった。のあのそんな質問に、夜宵は「勿論」と自信ありげに返してみせた。 「懸念点を挙げるとするなら……神咲 東(かんざき あずま)。彼が戻ってきたら、私たち二人、揃って生きて出られる確率は1%にも満たないんじゃないかな」 夜宵の言葉に、のあは「は」と一言発する事しか出来なかった。そんな様子を気にとめることもなく、廊下を突き進み、扉の先へ進んでいく夜宵。「立ち止まってるなら置いていくよ」の声に、ようやく意識を戻したのあが、小走りで夜宵を追いかけた。 白色の、相変わらず重たい扉を開ける。その先の空間に、眩しさすら感じた。先程のコンクリート造りの灰色の空間とも、はたまた洞窟のような空間とも違う、見渡す限りが異質な程に純白のフロアだった。壁や床、扉に家具。唯一白でなかったのは、先程も見た謎の機械。生温い風邪を発し、謎の数値が表示されている、所々に配置されたこの機械は、夜宵が言うには【魔力濃度調整器】と呼ばれている代物らしかった。 緑色の数値──現在は0.02と表示されている──は、現在大気中に流れる魔力の量。魔力は、大気中に増えすぎると人体には害があるものだった。悪魔が常に微量放出している魔力は、普段生活する分には問題ない程度だが、この場所は密室に悪魔を、それも精神的に穏やかとは言い難い状態で集めている。その為、大気中の魔力濃度が非常に高くなりやすいのを、こういう形で対策しているのだろう。魔法の使用を最大限制限し、魔力をジワジワと奪い、その回復さえも防ぐ事で力のある悪魔の反逆を事前に防ぐという目的もあるのだろうと、夜宵は語った。 機械から排出される生温い風は、人体には無害な、教会が独自に研究、開発した人工元素フォルタシウムを主成分とした特殊な薬品で「フォルタシア」と呼ばれた。魔力を打ち消す効能を持ち、悪魔を弱体化させる霧のようなものだった。 幻想のphantasia(パンタシア)と、幸運のfortuna(フォルトゥーナ)から名付けられた新たな元素「fortasium(フォルタシウム)」。この元素は、研究職に就く朽木類(くちぎ るい)、枢機卿の真宮紫月(まみや しづき)、そして当時大司教だった神咲東。教会内でも屈指の知能と能力の持ち主である三人が共同で、中心となって開発したものだ。この元素は、悪魔のいない楽園への第一歩だと信じられた。人類の抱き求めた幻想が、現実になる程の幸運をもたらすと信じられた。 詳しいね、のあがそう言えば、夜宵はほんの少しの間、その説明を止めた。そして、軽く振り返って、肩越しにのあを見た。 「こんな事、詳しくない方がいいんだよ」 そう微笑んだ夜宵は、今までの笑顔よりもずっと優しくて、寂しそうな笑顔に見えた。 「兎も角だ、これが機能している限り、私達は常に力が制限されているのと同義ってことだよ。魔法なんか使えない、打ち消されるだけだからね。つまり今の私達はか弱い人間と同程度」 夜宵はその後、振り向くことも、立ち止まることもせずにそう語る。が、不意に立ち止まったのあに気が付くと、溜息混じりに踵を返した。 「ちょっと。いまはそんな機械で遊んでる場合じゃないでしょ? 神咲に私達のことが伝わる前に出たいんだ、早く……」 「声がする」 そう言うと、のあは「は?」と珍しく意味がわからないという表情をする夜宵を置いて、来た道を戻った。 先程出てきた扉の、少し手前。小さな扉だった。カード認証式の扉を、先程のカードキーで開ける。誰かの啜り泣くような声がした。暗い部屋に牢がいくつか用意されていて、扉がしまっているのはそのうちのひとつ、一番扉から遠い牢だけだった。 「……だれか、いるの?」 それは、幼い子供の声だった。 「いるならだしてよ、お願い、怖いよ、かえりたい……」 声の方向へ、のあが進む。夜宵は、扉の所で腕を組んで退屈そうにしていた。 牢に捕らわれていたのは、まだ十歳にもならないような幼い少年だった。茶色く柔らかそうな髪質で、白が基調の和服を着ている。とはいえ、形こそ和服に見えるが、裾にあしらわれたフリルや装飾は、随分豪華に崩された雰囲気だった。小さなその子は硬い石の床に座り、袖で涙を拭うように見えた。 「……大丈夫?」 のあがそう問いかける。顔を覆っていた袖から覗く、天使のように純白の瞳が、のあの目を見た。 「あれ。関係者じゃないの? なぁんだ」 幼い子供の悲痛な泣き声は一瞬のうちに消え去って、その少年は、まるで大人のような強気な笑顔で「初めまして」と笑って見せた。 「ねぇ、君も閉じ込められたの? 教会の関係者じゃないよね、だって後ろに悪魔を連れてる」 「……あんたは、……何者?」 「人に名前を聞く時の礼儀、年上なのに知らないの? まあいいや。僕は瀬名。世継 瀬名(よつぎ せな)。気軽に瀬名様、って呼んでいいよ、お姉ちゃん達は?」 その問いに、のあが返そうと口を開くと、後ろから夜宵が「あのさ」と口を挟んだ。裸足の彼女が、軽い足取りで瀬名の前に立ち、腰を曲げて、笑って目を合わせた。逆光でさらに暗くなった夜宵の、真っ赤な瞳がよく目立つ。 「世継、瀬名君? ……その名前と言い、君、ソッチ側じゃないのかな」 と、夜宵のしなやかな指が瀬名の瞳を指した。対する瀬名はと言えば、どうしてか満足気ににっこり笑顔を作り、その手を取って指を絡めると「あは」と笑った。 「僕のこと、信用できない?」 「別に、私は信頼関係なんかはどうだっていい。ただお互いに良い関係を、築ける相手と関わりたいだけだよ。教会の人間相手じゃ、難しいと思わないかな?」 夜宵の言葉に、瀬名は楽しそうに、場には不相応に、年相応に──とはいえ、瀬名の正確な実年齢まではのあの知り得たものではないが──無邪気に「あははっ」と笑った。 「うん、お姉ちゃんの警戒心は正しいよ。だって実際に僕は今、君の力を利用してる」 その言葉に、夜宵が身構えて瀬名の手を振り払う。笑顔のまま瞳を開けた瀬名の純白の瞳には、悪魔のように真っ赤な瞳孔が浮かんでいた。 「ああ、良かった。魔力が足りなくてさ、これでやっと立ち上がれる。安心していいよ、そんなに大量には奪ってないから」 「……君は、天使? それとも、悪魔なのかな」 「さあ。僕も分かんない、けど少なくとも君達の敵じゃない」 立ち上がって尚、のあより小さな夜宵よりも、更に頭一つ分程度小さい瀬名。牢の中を、数歩歩いた。そんな彼の小さな腕が格子の隙間からのあに伸びて、小さな掌が、服の裾を摘んだ。 「ねえ、お姉ちゃん。ここの鍵探してきてよ。あと僕の荷物も」 それは、幼い子供のお願いというには随分と、断らせない、と圧すら感じさせる言葉だった。ほんの数秒の沈黙の後、瀬名が「ところで」と口を開く。 「人には自己紹介させておいて、まさか君達は名乗らないつもり? 随分立派なご身分なんだね」 その言葉に、のあは「あっ」と声を漏らし、夜宵はと言えば、若干渋々ともいえる様子で小さく自身の名を発した。 「のあちゃんに、夜宵ちゃん。どうぞよろしくね、良い関係、築けたら嬉しいな?」 そう言った瀬名は、小さく眠たそうに欠伸をすると牢の奥、簡素なベッドに座る。それは彼では足も地面につかない、大人用のベッドだった。 「……何見てるの? 早くしてよ、ここ退屈なんだよね」 ちら、とのあ達の方を見た瀬名が、表情は別段不機嫌そうな訳ではないが、そうともとられるような言い回しでそう言い放った。 「わかった、わかった。全く、仕方のない子だなぁ……荷物の特徴は?」 「赤色の羽織と、赤い宝玉のはめ込まれた杖」 「これはまた随分独特だね、分かりやすそうで助かるけど。まぁ君は少し眠って待っているといいよ」 夜宵の言葉に、瀬名は笑って「ありがとう」と返した。あの性格でお礼が言えるのか、とでも露骨に言いたげな表情をしたのあが瀬名を見つめると、それに気が付いたのか今度は多少不服そうな顔をした瀬名が「早く行きなよ」と急かした。 脱力してベッドに横になる瀬名に背を向けようとした、その時だった。 「驚いた」 「!」 声がした。油断した、と思った。 ──頭痛がする。酷い頭痛と、悪寒がする。嫌な予感がして、心臓がドクンドクンと脈を打つ。聞き覚えのある声だ。この、声。この声は。 「出れたんだ、良かったぁ! 心配してたんだよー」 そんなのあの予感とは違う、間延びした、明るい声が暗い室内に響いた。 「……秀……?」 「なーんだ、せっかく今さっきあそこの扉解除できたのに……まぁ出れたんならなんでもいっか。無事でよかった」 その言葉に、何か返そうとしたとしたのあの口は、空気だけを発した。残念、先程そう言った時の秀の表情は、暗くて、それに座って下を向いていたから、あまり印象には残っていなかった。そのせいか、まとわりつく血液の生温かさだけが、妙にのあの掌にこびり付いていた。 「えっと……君は、はじめましてだよね? 広瀬秀っていいます」 「初めてじゃないよ。ゴミ捨て場とやらに、藍葉と二人で来てたのを知ってるからね」 その言葉に空気がピリついたのを、少し鈍感なのあでさえ感じた。「そうなんだぁ~?」と穏やかに返す秀の目の奥に、のあの知らない表情が見えた気がした。 「いいよ。穏やかぶらなくていい、広瀬。私は見てたからね。君でしょ? シャッターを閉めて、彼女をあそこに閉じ込めたのは」 ふわりと、秀が微笑んだ。 笑顔のままで、ただ穏やかに、秀は言った。 「そうだよ」 ──と。 「は? そ、う……? そうって、何? あんた私の事騙して、ずっとじゃあ、殺そうとしてたの!?」 のあのその言葉に、秀は今度は慌てたように「違う!」と返した。先程の大人びた知らない表情の秀ではなくて、泣きそうな、子供っぽい、よく知る秀の顔だった。 「違う、ちがうよ、そんな訳ないでしょ……」 そう俯いた秀は、少し考えたように沈黙すると、やがてぽつりと言葉を零して、紡いだ。 ──柊真尋が、のあを狙っている。 秀が言うには、事故に見せ掛けて地下に閉じ込め、その間に魔力暴走させた悪魔を送り込んで殺す。そして、薬品を打ち込んで、天使として復活させる。そういう手筈だった。藍葉のあを閉じ込めて、殺す。それが、真尋から秀に下された命令だった。そう語った。 「でも、……悪魔、僕がこっちの階に連れ込んで、さっきちゃんと処理したんだよ。だって、……僕達友達でしょ……?」 秀は少し遠慮がちに、小さな声で呟くように言った。嘘をつき閉じ込めた事への罪悪感か、それとも当初は強がっていただけなのか、どちらにせよ、のあと秀の距離は何故か出会ってすぐよりも離れた。或いは、秀によって縮められたそれを、秀によってまた、離されたようだった。 「悪魔を道具とみなすような君の発言も、行動も気に食わないけど……まぁいいよ。根付いた意識は、そう簡単には消えないだろうからね」 夜宵が、秀に一歩近付いて、真下から顔を見上げた。一般的に、恐らく高身長に入るであろう秀と、低身長に入るであろう夜宵。あんなに見上げて首痛めないのかな、なんて、少し遠くでのあが一人余計な心配をしているうちに、二人の間ではそれなりに物騒な会話が繰り広げられていた。 「一度だけ。君に与えるチャンスは一度きりだよ、次は無い。次に私が違和感を感じたら、その時は私が君を殺そう」 「うん、十分。だって僕、のあちゃんが無事ならそれで良いから」 「へえ、友達だから? はたまた恋かな? 随分な執着だね」 夜宵の言葉に、「内緒」と秀が返した。その少し後、牢の中から不満気な溜息が聞こえた。 「やっっと話し終わったの? うるッさいんだけど、眠れやしない」 声の方を見れば、先程眠たそうに布団に入った瀬名が起き上がって、苛立ったように腕を組んでいた。「わすれてた……」と零れたのあの言葉に怒りがピークに達したのか、ようやくの眠りを邪魔された瀬名は小さく舌打ちをした。ここから出る鍵を探して欲しい、とお願いしている立場的に考えれば随分と偉そうなものではあるが、しかし今まで自力で動けず、冷たく硬い石の床で浅い眠りを繰り返すしか無かった彼の、数日、或いは数週間ぶりの柔らかく暖かな──勿論、お世辞にも質が良い、とは言えないのであろうが──布団での休息、と思えば、その怒りもまぁ最もと言えば最もであろう。そしてその目に睨まれれば、その場にいた誰しもは、そっと目を逸らすことしか出来なかった。 「早く出てって」 「は、はぁい……」 「ふん」と不機嫌な瀬名が、布団にぽす、と音を立てて横になる。彼の軽さ故か、勢いよく寝転がった割には小さな音しかしなかった。 最後に部屋を出たのあが、なんとなく、瀬名の方を振り返った。小学校低学年くらいの子供が、小さな手で薄い布団を抱いて、狭くて暗い石の牢獄の中で眠っている。 「……これが教会の中っていうなら、何の為の信仰だよ」 そう呟いたのあを、秀がちらりと見やって、そっと手を引いた。 「あの子、瀬名くん?」 部屋から出てしばらく歩くと、秀がぽつりとそう呟いた。「知り合い?」とのあが聞くと、秀はただ首を振って否定した。 「でも聞いたことあるよ。世継瀬名、……天使になれるはずだった子って」 秀の言葉に、誰か、何かを返す訳でもなくただ視線を向けた。それはまるで、その先の出方を伺っているかのようだった。 秀が続けるには、このフロアは信徒の間では「煉獄」と呼ばれているらしい。そして、悪魔への救済を行うこのフロアの中でも特に、あの牢は特殊なものらしかった。魔力暴走を起こした悪魔も捕えられるように、この辺りよりももっと、魔力を表に出せばすぐに掻き消えるように作ってある。牢に強く触れれば、電流が流れるようになっている、と。故に、あそこに捕らえられている、それ自体が脅威であるという証なのだと言った。 「分かってるよ、あの子はまだ小さくて、きっと十年も生きてないだろうね。でも、それならあんなに幼い子を、なんであそこに捕らえたの? 危ないからじゃないの? 天使になれるはずで、それなのに脅威って恐れられるようになったのは、なんで?」 「……何が言いたい訳? 秀」 歩みを進めていた秀の足が、ぴた、と止まった。彼よりもほんの少し先に進んだのあ達が、振り返って俯いたままの秀を見た。 「…………。怖いよ。怖かったんだよ、のあちゃんも見たでしょ? 魔力暴走を起こした悪魔は、脳も、皮膚も魔力が溶かして、その身体のある限り、ただ魔力の持つ攻撃性だけに従う化け物になる。教会が言う脅威は、……それだったよ」 或いは、それになりそうな予兆のある者だったと。少しの間を開けて、夜宵が一歩、秀に近付いた。「うん、そうだね」と。 「分かるよ。その点については同意しよう、申し訳ないけど、よく分かる」 その言葉に、のあが言い返そうと口を開くが、夜宵の細い人差し指がそれを制する。 「素性も分からない彼に十分に信頼を寄せてしまっているなら、藍葉、君は少し甘すぎかな」 夜宵の大きな目が、ほんの少しだけ細められた。真っ赤な瞳が、真っ直ぐにのあの目を見る。のあはほんの少し気圧されかけたが、すぐに夜宵の手を取って、小さな彼女を見下げた。 「素性も分からない、そういうのならあんた達だって同じだよ」 「そうだね。だから私は、私を信用しろとは言ってないでしょ、私も君を信用はしてない。これに関しては、お互い様ということだね」 のあの手を、夜宵は軽く振って払った。そして、「それでも」と続けた彼女の冷たい目は、秀を制した。 「私は、あんな幼い子を見捨てて保身に走るほど腐ってはいないよ。その点においては、信用してくれていい」 ふわりと、夜宵が二人を背にしてまた歩みを進める。秀もなにか言おうとしたが、しかしその言葉は飲み込んだようだった。 「人を信じられるのは、藍葉、君の長所だ、素晴らしいことだよ。だから、誰かを疑うのは私に任せるといい」 そう言った夜宵が振り向いて、にっこりと笑ってのあに手を差し出した。 「それに少なくとも、助けて貰った恩がある。だから、今、この場所で、私は君の味方であると誓うよ」 差し出された夜宵の手を、のあが握る。温かいその手は、人間と、何も変わらないように思えた。 戻る 次へ Up
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- セライア | 楽園都市管理室
< Back セライア データ名 セライア Seliar 所属 ██████ 身長 160cm 性別 無性別 生年月日 無し like ██ dis like なし ID:Ⅳ-α-202 データ固有名:セライア/Seliar Ⅳ-α-202【セライア】は、エターディア第一位〈虚構〉により作成され、模造世界〈夢遊の海淵〉世界ベース〈██〉に存在するデータファイルです。Ⅳ-α-201【ユリウス】を導き、流れ込む「あくむ」を除去する事で〈夢遊の海淵〉を守り続けるという役割を与えられています。 深海のような青色の髪に、淡い水色と黒色の左右で違う瞳を持ち、その瞳の中には虚構を象徴するかのようなバツ印が浮かんでいます。中性的な容姿をしており、明確な性別は定められていません。 関連ファイル:[罪過の愛が溶ける迄] ---以下模造世界音声データ--- 【ID】:REC-IW██████ 【記録日時】:██████ 【記録世界】:夢遊の海淵 【備考】:一部破損あり 「セライア。目を開けて」 「君は、……。貴方は、虚構様?」 「見たらわかるだろう。自分の創造物だよ。わたしの知識くらい入れたはずだ」 「それもそうだね、大変失礼しました、我が創造主。それで、どうして僕を創ってくれたのかな」 「わたしの世界に、新しい世界ベースを構築した。███の██世界をベースにした世界だ。おまえには、そこの維持を任せたい」 「成程?それは随分と重大な役目だね!」 「おまえに任せる世界ベースは、わたしの創り上げる楽園の、核となるだろう。別に悪い話じゃないはずだ、おまえはただ、簡単な歪みを除去してくれればいい」 「虚構の楽園都市を、真の楽園へ、と言った所かな?いいよ、任せて。僕はきっと、この世界が好きだから」 「……。楽ではないよ、失敗は許されない。肝に銘じておくことだ」 「うん、〈虚構〉ヴァストエル様。勿論……それに僕だって、そう簡単に消えてしまいたくないからね」 Previous Next
- ヴェル | 楽園都市管理室
< Back ヴェル データ名 ヴェリヴァエル Velvael 所属 創世機関【エターディア】 身長 100cm(可変) 性別 無性別(女性型) 生年月日 無 like 世界、御伽話 dis like 強制 ID:Ⅱ-ε -000 データ固有名:アリストメリー/Alistmery Ⅱ-ε -000【アリストメリー】は、月歴1982年ユデリアよりエターディア第六位〈女王〉に振り分けられ、【ヴェリヴァエル】の名称を冠しました。基本名称はメリー。 淡いピンク色と水色のグラデーションがかった髪をツインテールにしています。髪と同色の左右で違う瞳を持ち、幼いヒトの少女のような容姿です。背には半透明の羽根が一対生えており、彼女の統括する〈妖精〉と類似しています。 泡沫地区、及び区内〈妖精〉を統括しており、模造世界〈永幼の桃源郷〉を作成、管理している創世者です。永幼の桃源郷では、妖精の国レーヴェリア王国の女王陛下として慕われています。 関連ファイル:[終末世界の幸福論] ---以下模造世界音声データ--- 【ID】:REC-PL24320521 【記録日時】:月暦2432/アニマリア/21 【記録世界】:永幼の桃源郷 【備考】: 「女王陛下」 「あら、なぁに?今はあなたの他に誰かいるの?私には見えないけれど」 「いえ……私以外には、誰も」 「そう、ならいつも通り呼んでちょうだい、アル。堅苦しいのは好きじゃないの」 「……ヴェル。この戦争は、どうしても、必要なんですか」 「ええ、必要よ」 「それは、どうして……」 「あら。だって、アル。あなた、私に勝てる?」 「いえ、創世者たる陛下に、私など足元にも及びません」 「ええ、そうね。それじゃ駄目なの」 「……」 「私達は、いずれこの世界を滅ぼさんと襲いくる、この私すらも足元には及ばないような相手を相手にするの。その時に、誰も実戦の経験がない、私たった一人にすら敵わない状態で勝てると思って?」 「……それは……」 「大丈夫よ。真の幸福は、災いを乗り越えた後に訪れるの。だから、アル。あの子をお願いね」 Previous Next
- 藍葉 のあ | 楽園都市管理室
< Back 藍葉 のあ データ名 あいば のあ 藍葉 のあ 所属 星光大学 文学部 身長 158.3 性別 女性 生年月日 1995/4/5 like ゲーム dis like ホラー全般、外出 ID:Ⅳ-δ -202 データ固有名:藍葉 のあ Ⅳ-δ -202【藍葉のあ】は、エターディア第三位〈神〉により作成され、模造世界〈禁忌の封国〉に存在するデータファイルです。禁忌の封国内では珍しく、“選択”能力を与えられており、彼女の選択次第で複数個の世界データが確認されています。 〈神〉を信仰する宗教【ヴァルミナ教】の、信徒という立ち位置です。創世者ヴァルノエル同様の純白の髪と藍色の瞳を持ち、大きな黒色のリボンが特徴的なやや中性的な女性です。ホラーが極めて苦手で怖がりな少女ですが勇気や正義感も持ち合わせており、時折独特なセンスを光らせる所があります。 関連ファイル:[災約聖書] ---以下模造世界音声データ--- 【ID】:REC-IW20141205 【記録日時】:2014/12/14 【記録世界】:禁忌の封国 【備考】: 「のあ〜!ほら起きて起きて、もう朝よ!」 「あ、む……ゔッ眩しい日光が」 「何言ってるのよ、真夏でもあるまいし。血筋は薄いとはいえ、悪魔の私でさえ大丈夫なのよ?なーんで人間のあなたが負けちゃうのよ、ほらねぼすけさん、起きなさい!」 「ゔぁーー……」 「ゾンビみたいな声出さないの!また夜遅くまでゲームしてたのね?全くもう!」 「へへ、イベントの限定衣装が浴槽で……」 「浴槽……??衣装が???」 「凄いんだよ?フィールドの滝とかで水貯めれて、走ったら中身こぼれるし、追い炊き機能付き。しかも時間経ったら冷めるし、湯気で熱さまでわかっちゃう!」 「あははっ、何それ。手に入れたの?」 「もっちろん!」 「そう、よかったわね。今度見せてちょうだい!」 「うん、今度一緒にやろ?亜夢。ゲームじゃなくてもさ、亜夢とならやりたいこといっぱいあるんだ」 「あら、随分情熱的なお誘いね?なんだって付き合うわよ、可愛いのあ。その乱れた生活リズムを直すならね」 「……私のが年上なんだけどなぁ……」 Previous Next
- ノウ | 楽園都市管理室
< Back ノウ データ名 のう 嚢 所属 楽園都市管理室 身長 158.0 性別 無性別(女性型) 生年月日 ⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎ like ⬛︎⬛︎ dis like ⬛︎⬛︎ ID:Ⅰ-null-000 データ固有名:嚢 Ⅰ-null-000【ノウ】は、この楽園都市の代理管理人です。 管理人により、直々に楽園都市パラディースト=ロギアにおけるデータの作成、管理を一任している、当世界の〈思考〉 です。 エターリア最終日、Ⅰ-null-300により〈白き終焉の月〉 が発令された場合は、直ちにエターディアによるデータ保護の元、楽園の再構築に備えてください。 Ⅰ-null-300による〈触月〉について ※当データは███による影響で、一部デー█に██が散見されて██す。 現在データの復█ 菴懈・ュ荳ュ縺███████ ---以下管理室内部音声データ--- 【ID】:REC-PL12570101 【記録日時】:月暦1257/ジェナリア/01 【記録エリア】:パラディースト・ロギア-管理室 【備考】:音声データに一部破損、乱れあり 「███──、初めまして。我が永遠の楽園へようこそ、██」 「……あなたが、ここの管理人【ノウ】?」 「正確には代理管理人だよ、私自身も、創られ、この世界に落とし込まれた存在にすぎない。君と同じように」 「……」 「つまり私も、世界管理を担っているだけの創造物ってこと。気軽に接していいよ、他の創造物達と同様にね」 「気軽にって……そんなに気軽に会話できるの、あなたとは」 「会話?同じデータベースに存在する以上は、一応可能なはずだよ。……ただまあ、私が別に話すことないというか。君達の話す事、難しいんだもん」 「あなたが創ったのに?」 「言ったでしょ?私は所詮代理人。管理人のことなんて大して知らないし、この世界のことも別に一から十まで知ってる訳じゃないよ。ほら、もう時間だ。またね」 Previous Next
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